志澤卓磨・清水勇佑・平山茉歩・本間千晴「根づく -新旧を繋ぐアキバ田代通り区域改修と空中街路の提案-」
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私たちにとって生きられる都市空間は秋葉原に「根づく」ことだと考えた。様々な背景を持つアキバ田代通りを計画敷地とし、秋葉原UDX並びに周辺に点在する空きテナントを改修し、工房やホテル、イベントスペースを分散させていき、人々の出身・事業の大小に関わらず「新しいこと」に挑戦する実験場を街全体に構成する。分散型の地域開発により、秋葉原全体で新たな賑わいやネットワークを創出するほか、ホテル滞在者により夜間の人口が増え、暗い路地に落ち着いた賑わいを与える。秋葉原ならではの新しさが生まれ、成長し、共有・拡散していき、人々の能動出来なネットワークが生まれ、秋葉原の街に広がっていく構想としている。
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3つの登場人物の需要と供給が合致し、更に空きテナントやホテル需要を利用した分散型都市開発を行う。路地の賑わいを取り戻し治安の悪化を食い止め、
大企業やクリエイターが土台となり観光客と関わり、構想・思考を重ね新たなムーブメントを起こす秋葉原の”生きられた都市空間”を構成する。
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秋葉原UDX、空きテナントを改修し、ホテル、工房、イベントスペースの3つを分散させ、第Ⅰ期~第Ⅲ期と順に建築する。
ペデストリアンデッキは建物間を巡るよう構成し、それぞれを繋ぐ。スケールもGLも異なる場が散らばりながら繋がることで内外に人々の活動が溢れる。
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ホテル・テナント貸スペースとなる3棟改修/1棟新築の既存建築。様々なデッキ空間に各自居場所をもちつつコミュニティの空気を共有。
このデッキで連続し1~4階を部分改修する秋葉原UDXに、巨大吹抜で上下階を繋ぐ大イベントスペースを構成。動線を下から巻き上げ、見る・見られる関係を複層的に設ける。
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伸長は、地上の賑わいを担保しデッキからの上下運動で発芽・開花を緩やかに繋ぐ。滞在と通過空間を許容し、働き手と来訪者の異なる賑わいを結ぶ憩いの空間。
発芽は、3棟改修し、新規事業者向けホテル・工房へ変更。建築間を縫う屋上デッキのレベル差による公共性の変化発生。休息しながら思考を深められる。
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①企画運営②来訪者③秋葉原商店街④事業者⑤出資者に分類。➀は、➁にサービスやスペースを提供。③と➃は、来訪者と企画運営者と連携する。
➀に対して運営補助を行う⑤は、秋葉原UDXを運営するNTT都市開発と秋葉原でコワーキングスペースを展開するDMM.comが連携し、クリエイターの活躍の場をつくる。
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生きられた都市空間=「根付く」
秋葉原ならではの”新しさ”が生まれ、成長し、広まることで街に繋がる。
生きられた都市空間を「植物の成長」になぞらえて、「発芽」し、「伸長」し、「開花」するという一連の流れの中で、新しいムーブメントが秋葉原に根付いていく。
講評:秋葉原の駅前再開発による高層ビルと、周囲に存在する小さな雑居ビル群との間に生まれたスケールギャップを中和することが目論まれた提案。新たに挿入されたヴォイドやデッキにより、断面的かつ平面的に空間が連続していく。3期にわたる段階的な設計プロセスや、これに関与するプレイヤーを束ねるプロジェクトスキームなど、卒業設計並みに密度の高い提案となっている。(古澤)